児童ら助かった被災学校を公開 震災遺構として整備の中浜小

震災遺構として一般公開が始まった、宮城県山元町の中浜小学校=26日午後

 東日本大震災の津波に襲われたが、教職員の指示で屋上に避難した児童ら90人全員が助かった宮城県山元町の中浜小学校が震災遺構として整備され26日、一般公開が始まった。海から約400メートルの校舎は、はがれ落ちた天井や曲がった鉄骨がそのまま残り津波の脅威を伝えるほか、映像や語り部、ガイドが事前の備えの重要性を訴える。

 公開に先立つ式典には震災当時、校長として避難を指揮した井上剛さん(63)らが参加、テープカットで祝った。井上さんは「最善の判断とは思っていないが、少ない情報を基に命懸けで行動した」と振り返り「当時の思いに触れてほしい」とあいさつした。


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