野生動物が持つ病原体調査 感染症に備え、環境省

住宅地に出没したシカ=2019年10月、札幌市

 環境省は来年度から、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、動物から人間にうつる「動物由来感染症」へ備えるため、シカなどの野生動物がどの程度病原体を持っているか調査する方針を固めた。来年度予算の概算要求に約2億5千万円を盛り込む。

 新型コロナウイルスは中国でコウモリから食用動物を介して人間に感染したとみられている。日本国内に生息する動物から人間にうつる感染症の発生リスクは詳細に把握されておらず、感染源となる恐れのある野生動物の実態調査が必要だと判断した。

 来年度は、全国各地で出没例が相次いでいるシカを対象とすることを想定。保有する病原体の種類や量を調べる。


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