被爆75年、届かぬ核廃絶 首相、禁止条約に消極姿勢

被爆75年となる「原爆の日」を迎え、原爆投下時刻に黙とうする人たち。手前は原爆ドーム=6日午前8時15分、広島市の平和記念公園

 広島は6日、75回目の「原爆の日」を迎えた。松井一実広島市長は平和宣言で、世界の指導者に対し「核兵器に頼らない安全保障体制の構築」を求めたが、米国など核保有国は核戦力を維持する姿勢を崩さず廃絶への道のりは遠い。安倍晋三首相は核兵器禁止条約への参加に後ろ向きなままで、高齢化が進む被爆者に焦りや落胆が広がった。

 「黒い雨」を浴びた人たちが被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟で原告側が全面勝訴した7月の広島地裁判決を受け、6日に首相と面会した被爆者団体代表からは救済を求める声が出たが、首相は今後の方針を明言しなかった。


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