扇立祭でコロナ終息祈願、和歌山 世界遺産の熊野速玉大社

熊野速玉大社の「扇立祭」で本殿前に立てかけた檜扇を開帳する神職=14日午後、和歌山県新宮市

 和歌山県新宮市の世界遺産・熊野速玉大社で14日、無病息災や五穀豊穣を願って神前に大きな「檜扇」を立てる、恒例の「扇立祭」が行われた。神が降臨して病気を払うと信じられてきたことから、新型コロナウイルスの早期終息も祈った。

 本殿では高さ1・5メートル、幅1・65メートルの檜扇を、神職2人が立てて開帳。ヒノキの薄い板に鮮やかに描かれたシラサギなどが、姿を現した。

 今年は新型コロナの感染拡大を防ぐため、関連イベントは中止。観光で訪れ、神事の様子を見届けた岡山市の後閑久美子さん(52)は「扇から清らかな風が吹いてきたように感じた。神々しい雰囲気だった」と話した。


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