サルの脳に光を当て、手を操作 治療法開発へ期待、生理研

光でサルの手を動かす実験

 光に反応する特殊な遺伝子を組み込んだニホンザルの脳に光を当て、サルの手を動かすことに世界で初めて成功したと、生理学研究所(愛知県岡崎市)や東北大などのチームが26日、英科学誌に発表した。光で体の動きを操作する研究はマウスやラットで進んでいるが、霊長類では目を動かす報告しかなかった。

 生理研の南部篤教授(神経生理学)は「パーキンソン病患者の脳に電極を入れて電気で刺激する脳深部刺激療法(DBS)という治療があるが、電気の代わりに光を使う方法を開発できるかもしれない」と話している。電気より刺激範囲を狭くでき、体のしびれなど副作用を抑えられる可能性があるという。


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