湿度100%の大気層が影響 台風19号の豪雨もたらす

台風19号による大雨で氾濫した長野市の千曲川=2019年10月

 昨年10月の台風19号が東日本の各地で記録的な大雨をもたらしたのは、湿度ほぼ100%という大量の水蒸気を含んだ不安定な大気層「モール」の存在が原因だったとする研究を、京都大などのチームが2日までに日本気象学会の論文誌に発表した。

 モール(MAUL)は「湿潤絶対不安定層」を表す英語の頭文字。モールに着目した分析は国内で初といい、チームの竹見哲也准教授は「積乱雲の発生機構の解明を進め、予測の精度向上に役立てたい」としている。

 台風19号が直撃した昨年10月12日の気象データでは、東海から関東にかけ地表付近から上空までの湿度がほぼ100%になっていた。


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