東京で若尾文子映画祭 貴重な現場写す写真集も

 日本映画の黄金期を代表する女優若尾文子さん(86)を特集する「若尾文子映画祭」が、東京の角川シネマ有楽町で28日から開かれる。これに合わせ、小津安二郎監督や市川雷蔵さんらとの貴重なショットを収めた「写真集 若尾文子」(ワイズ出版・3850円)も同日、刊行される。

 若尾さんは1950年代から60年代にかけて、大映の専属女優として京マチ子さんらとともに活躍。庶民的なお嬢さんから妖艶な大人の女性まで幅広い役を演じ、今も世代を超えた多くのファンに愛されている。

 映画祭は、劇場で初上映される4Kデジタル復元版の「刺青」をはじめ、三島由紀夫さんと共演した「からっ風野郎」など41作品が一挙上映される。4月2日まで。

 写真集は、KADOKAWAが管理する倉庫に眠っていた何百冊ものネガブックから発掘。「浮草」の撮影中に小津監督が若尾さんに演技を指導する場面や、名コンビの増村保造監督との撮影現場、市川崑監督「ぼんち」での市川雷蔵さんとのオフショットなど、これまでほとんど知られていなかった395枚の写真を収録している。

 映画祭は東京の後、大阪など各地で上映予定。企画したKADOKAWA映像事業局は「5年前の映画祭が大好評だったため、2度目を企画しました。今回は劇場上映が珍しい作品も多く、若尾さんの魅力を満喫してほしい」と話している。


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