処理水海洋放出の利点を強調 福島第1原発で政府小委提言へ

汚染処理水のタンクが林立する福島第1原発の構内=2019年2月、福島県大熊町

 東京電力福島第1原発で増え続ける処理水の処分方法などを議論する政府小委員会は31日、前例のある海洋と大気への放出を「現実的な選択肢」とし、うち放射性物質監視などの面から「海洋放出の方が確実に実施できる」と強調する提言案を大筋で了承した。報告書としてまとめた後、政府が方針を決める。

 3年余りにわたった小委の議論が終結。放出には漁業関係者らが強く反対しており、方針決定に際し政府には、地元などの幅広い意見を丁寧に聴くよう求める。風評被害対策の徹底も必要だとしている。

 小委は地層注入、水素放出、地下埋設も含めた五つの処分方法を検討していた。


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