年金抑制策、2年連続の実施 高齢者の家計に痛手

厚生労働省=東京都千代田区霞が関

 厚生労働省は24日、2020年度の公的年金の支給額を前年度より0・2%引き上げると決めたが、賃金や物価の伸びより低く抑える仕組みは2年連続で実施した。現在受給している高齢者にとっては、年金の価値が実質的に目減りすることになり、家計に痛手となる。

 抑制策は「マクロ経済スライド」という仕組み。少子高齢化が進行し保険料を負担する支え手が減少しても、将来世代が年金を受け取れるようにする狙いで04年の制度改革で導入された。デフレ下では実施しない。経済が長年低迷していたため、今回は15年度と19年度に続く通算3回目、2年連続の実施は初めて。


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