桜の会、菅氏説明と資料にずれ 新たな疑問浮上も

記者会見する菅官房長官=22日午前、首相官邸

 内閣府が21日に参院側に提出した2019年の「桜を見る会」招待者の内訳資料を巡り、推薦枠に関する菅義偉官房長官のこれまでの説明とずれが生じる可能性があることが22日、分かった。新たな疑問として浮上しそうだ。菅氏は記者会見で、資料を踏まえて安倍晋三首相や自民党などの推薦枠の内訳を改めて調査する考えはないと表明。野党は追及を強める構えだ。

 資料で、首相推薦など「政治家枠」を含むとみられる「各界功績者(総理大臣等)」は8894人。これとは別に「元議員」「報道関係者」「芸術・文化、国際貢献等の特別招待者」も記載されており、合計は954人となる。ただ菅氏が昨年公表した約9千人の推薦枠には、これも含まれており、差し引くと、8千人程度となる。8894人と千人近くの差が生じる計算となる。

 菅氏は22日の会見で、人数にずれがあるのではないかとの指摘に「そんなに大きく変わらない」と強調。内閣府が存在しないとしていた11〜13年度の会場設営契約書などの文書については、廃棄作業が定められた手続き通り行われていなかったため見つかったと説明した。「保存期間が過ぎた後も、管理簿に記載されたまま廃棄手続きが滞っていた」と述べた。

 会場設営契約書などに関しては、内閣府は保存期間5年を経過しており残っていないと説明していたが、改めて管理簿を確認したところ存在していることが判明した。

 公文書管理のガイドラインは、保存期間が満了した文書は公文書館に移管するか廃棄すると定めている。ただ、保存期間終了後の廃棄期限などは明記されておらず、今回はガイドラインに抵触しないという。


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