「憧れと疑問詰め込んだ」 映画「ダンス―」の矢口監督

映画「ダンスウィズミー」にちなみ、踊るようなポーズをとる矢口史靖監督=東京都内

 音楽が聞こえると、歌って踊らずにはいられなくなってしまったヒロインの奮闘を描く異色のミュージカル「ダンスウィズミー」(ブルーレイ、DVDが18日発売)。矢口史靖監督は「ずっと撮りたかったミュージカルへの憧れと疑問を詰め込んだ」と話す。

 ミュージカル映画について「さっきまで普通にしていた人が、道路など踊ってはいけない場所で、突然踊りだすところが好き」と矢口監督。ただ、ダンスの後で彼らが何事もなかったように振る舞い、日常に戻る点には疑問を感じていたという。「その“お約束”を破れば、唯一無二の作品ができると思った」

 ヒロインの静香はある日、謎の男に催眠術をかけられ、音楽を聞くと体が勝手に動き始めるように。歌って踊るたびに仕事もデートもめちゃくちゃになり、みるみる窮地に追い込まれていく。

 静香を演じたのはオーディションで選ばれた三吉彩花だ。矢口監督は「ミュージカルパートの華やかさと、我に返った時の気まずさ。そのギャップを見事に表現してくれた」と絶賛する。

 ダンスシーンの撮影は「カメラ位置もカット割りも、普段と全く違った」。壁や天井が邪魔になったり、カットの前後で動きがつながらなかったりと、現場はハプニングの連続だったという。矢口監督は「一番苦労したレストランの場面では、1分強を撮影するのに4日かかった。大変すぎてびっくりしました」と振り返った。


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