福島・大熊町長が退任 原発立地、住民避難を指揮

退任式を終え、町民らと握手する福島県大熊町の渡辺利綱町長(左端)=19日午前、大熊町

 東日本大震災による東京電力福島第1原発事故時に全町避難の陣頭指揮を執り、避難先での町民の生活再建などに取り組んだ福島県大熊町の渡辺利綱町長(72)の退任式が19日、同町役場で行われた。3期目の任期満了に伴う。

 渡辺氏は震災後を振り返り「あまりにも多くのことがあった。ひたすら前に向かって復興を進めた8年8カ月だった」とあいさつした。

 渡辺氏は2007年に町長に就任、1期目の途中で原発事故が起きた。全町避難を強いられ、町役場を同県会津若松市に移転。14年には、除染作業で出た廃棄物の中間貯蔵施設の受け入れを決断した。


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