絶版小説の復刊で町おこし、滋賀 井上靖の「星と祭」

井上靖の小説「星と祭」の復刊記念イベント=19日午後、滋賀県長浜市

 滋賀県・湖北地域の観音像を題材とし、絶版状態となっていた井上靖の小説「星と祭」の復刊が決まり、同県長浜市で19日、記念イベントが開かれた。「本を使って町おこしをして、出会いもつくりたい」と、同市の出版社の代表ら7人が実行委員会をつくり、復刊に取り組んできた。

 星と祭は1971年に発表され、ボート事故によって琵琶湖で娘を亡くした父親が、湖北各地の十一面観音像を巡り、心の落ち着きを得る物語。地域ごとの信仰の様子をモデルにした描写が多く盛り込まれている。

 実行委は、それぞれの観音像ゆかりの場所で講演を開き、直接寄付を募る「勧進」と呼ばれる方式で費用を集めた。


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