尼崎脱線事故、生存女性が講演 つらい経験、大きな財産に

講演する浅野千通子さん=24日午後、兵庫県多可町

 2005年の尼崎JR脱線事故で、大破した2両目に乗り全身を骨折する大けがをした浅野千通子さん(41)が24日、同じ車両に乗っていた男性が運営する兵庫県多可町の多目的施設で講演した。「『死にたい』と考えたこともあったが、14年間を振り返り、つらかった経験は大きな財産になっている」と話した。

 浅野さんは手術とリハビリを繰り返し、事故の3年後には心的外傷後ストレス障害(PTSD)と重度のうつ病も発症した。「経験を通じて社会貢献したいと思っていたが、自分の顔を洗うことすらできないこともあり、そのギャップに苦しんだ」と当時の心情を明かした。


  • LINEで送る