2019年8月21日 21:05 | 無料公開
1869年に明治天皇と謁見したオーストリア・ハンガリー帝国使節団のオイゲン・フォン・ランゾネ男爵が描いた皇城の見取り図。ドイツ語で説明が書き込まれている(オーストリアのリンツ市司教区文書館提供・共同)
1869(明治2)年に明治天皇の住まい「皇城」(旧江戸城西丸)でオーストリア・ハンガリー帝国使節団が天皇と謁見した際、詳細な見取り図を作成していたことが21日分かった。見取り図は手記と共にオーストリアで保存されていた。皇城は73年に火災に遭い、皇城に関する文書なども焼失。元宮内庁書陵部編修課長の岩壁義光氏は「当時の記録として、謁見の場所を具体的に描いた視覚的な史料は見たことがなく、一級の史料だ」としている。
見取り図と手記はリンツ市司教区文書館にあり、同市郊外シュタイレック城の宮田奈奈研究員とドイツ・ボン大のペーター・パンツァー名誉教授が調査で確認した。