安保関連法訴訟、審理差し戻し 「適法性の検討不十分」

 集団的自衛権の行使を可能にした安全保障関連法は憲法違反だとして、陸上自衛官の男性が防衛出動命令に従う義務がないことの確認を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷は22日、訴えを適法とした二審東京高裁判決を破棄し、審理を高裁に差し戻した。山口厚裁判長は「適法と認められるための要件を満たしているか、検討が不十分だ」と述べた。

 最高裁は、今回の訴えは「命令に従わないことで受ける懲戒処分を防ぐため」と指摘。こうした訴訟を起こすためには「処分を受ける現実的な可能性があること」が要件とされるのに、高裁はこの点について検討しないまま適法と認定したと結論付けた。


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