福島県立医大論文に「不正なし」 被ばく線量を同意ないまま使用

 東京電力福島第1原発事故後、論文に住民の個人被ばく線量が本人の同意がないまま使用され、被ばく線量を過小評価するミスも見つかった問題で、福島県立医大の調査委員会は19日「故意ではない誤りはあるが、捏造などの研究不正は認定できない」とした報告書を公表した。本人同意に関して「倫理指針に対する重大な不適合はなかった」とした。

 論文は同大の宮崎真講師と早野龍五東京大名誉教授の共著で、英専門誌に掲載された。同県伊達市は2015年、住民の被ばく線量の分析を著者側に依頼し、データを提供。論文に使われた約5万9千人分のうち、約2万7千人分は研究への利用に同意がなかった。


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