戦意高揚落語、長崎で口演 林家三平さん、8月を前に

国策落語「出征祝」を口演する林家三平さん=17日午後、長崎市の原爆資料館

 落語家の林家三平さんが17日、原爆投下や終戦から74年となる8月を前に、太平洋戦争中に戦意高揚を目的に作られた国策落語「出征祝」を長崎市の原爆資料館で口演した。

 出征祝は、商家の若旦那に召集令状が届き、番頭や使用人がお祝いをする内容の創作落語。「日本勝った」と掛けて「(酒を)2本買った」とのせりふを入れるなど、軍部を応援するような表現が随所に登場する。

 作ったのは七代目林家正蔵さん(故人)。戦後は演じられなかったが、孫の三平さんが2016年に復活させた。口演後に「はなし家は利用されてしまった」と、戦時中の状況について考えを語った。


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