参院選、地方経済で論戦 農業、観光で活性化―首相

福岡市で街頭演説を聞く有権者ら=11日午後

 参院選(21日投開票)で与野党の党首らは11日、地方経済や農業の活性化を巡って各地で論戦を展開した。安倍晋三首相は大分県で「農業と観光の相乗効果で地域をにぎやかにしたい」と力説。青森県を訪れた立憲民主党の枝野幸男代表は、旧民主党政権が実施した農家への戸別所得補償制度を復活させると訴えた。

 首相は大分県別府市で街頭演説し、訪日外国人旅行者数が昨年、初めて3千万人を超えたと紹介。「もっと地域にやって来るお客さんを増やしたい」と語った。農産物の輸出やブランド化を推進する考えも示した。

 その後、福岡市で公明党候補への応援演説を実施。自公連立政権下で雇用状況が改善されたとして「自らの手で未来をつかみ取ることができる社会を両党でつくり上げた。この流れを変えてはならない」と呼び掛けた。東京都内で演説した公明党の山口那津男代表は、消費税増税に伴う軽減税率導入を同党が主導したとアピールした。

 枝野氏は青森県弘前市での街頭演説で、都市への人口集中により地方経済が衰退したと指摘。「地方を支える農林水産業で食べていけるようにする」と強調した。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は滋賀県近江八幡市で記者団に、都市と地方の格差を埋める政策が必要だとして「切り捨てられる地域に目を向ける政治を取り戻さないといけない」と語った。国民も農家への戸別所得補償制度を公約に明記している。

 消費税を巡り、共産党の小池晃書記局長は那覇市で「こんな景気が悪い時に増税することこそ最もばかげた提案だ」と批判。日本維新の会の松井一郎代表は大阪府河内長野市で、行政改革が不十分のまま増税をすべきではないと主張した。

 社民党の吉川元・幹事長は「憲法と平和がわが党の一丁目一番地だ。社民党の必要性を訴える」と国会内で記者団に語った。


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