ハンセン病患者を埋葬か、岡山 縄文時代の遺跡で発見

権現谷岩陰遺跡(1983年発行の発掘調査報告書より)

 近現代のハンセン病患者の居住地跡や埋葬されたとみられる頭蓋骨が、岡山県高梁市にある権現谷岩陰遺跡(縄文時代)で行われた約40年前の発掘調査で偶然発見されていたと、北條芳隆東海大教授(考古学)が明らかにした。5月に東京で開かれた日本考古学協会総会のセッションで発表した。

 ハンセン病は感染力が弱いにもかかわらず1931年に強制隔離が法制化され、患者は岡山県を含む各地に開設した国立療養所に入所させられた。法制化による本格的な隔離政策前にも人里から隔絶された谷底の岩陰で暮らさざるを得なかった患者らの生活痕跡を示す遺構という。


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