2019年5月27日 06:21 | 無料公開
血液のがんの一種「多発性骨髄腫」の悪化や抗がん剤への耐性化に、特定の酵素の増加が関与しているとみられると、京都大の高折晃史教授(血液学)らのチームが27日までに英科学誌電子版に発表した。増加を抑制できれば、抗がん剤の効果を維持するなどの治療法開発につながる可能性があるとしている。
この酵素はAPOBEC3B。チームは、多発性骨髄腫の一部の患者でこの酵素が過剰に増え、治療成績も悪いことに着目した。
骨髄腫患者の細胞を使用した体外での実験でAPOBEC3Bがあまり作られないようにすると、病状の悪化などの原因になるとみられる遺伝子変異の蓄積が見られなくなった。