文芸評論家の加藤典洋さん死去 「敗戦後論」で論争巻き起こす

インタビューに答える加藤典洋さん=2014年8月、東京都新宿区の新潮社

 「敗戦後論」などの著作で戦後日本の本質を問い続けた文芸評論家で早稲田大名誉教授の加藤典洋(かとう・のりひろ)さんが16日、肺炎のため東京都内の病院で死去した。71歳。山形市出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は妻厚子(あつこ)さん。

 95年の論文「敗戦後論」では、平和主義を唱えながらも世界で戦争を続ける米国に従属するという戦後日本の「ねじれ」を指摘。日本がアジアへの加害責任と向き合うためには、先に日本の戦没者を弔う必要があるなどと問題提起し、大論争を巻き起こした。

 明治学院大、早稲田大で教授を歴任。文学からサブカルチャーまで幅広い視点で評論した。


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