国学院大で万葉集など展示 現代人にも響く和歌の魅力

国学院大図書館が所蔵する江戸時代刊行の万葉集巻5の一節。右から3行目「初春令月、気淑風和」から「令和」の2文字が取られた=東京都内

 新元号「令和」の典拠となって注目される日本最古の和歌集「万葉集」。同書や後世に続く和歌の魅力を貴重な資料と共に紹介する企画展「和歌万華鏡」が東京都渋谷区の国学院大学博物館で27日から開かれる。館内ではこれとは別に同大図書館所蔵の江戸時代刊行の万葉集も特別展示しており、「令和」の2文字が取られた巻5の序文が見られる。

 企画展は万葉集から古今和歌集、国文学者折口信夫が詠んだ和歌まで、通史的に紹介。同大図書館の所蔵品の中から、平安時代に編さんされ、鎌倉時代に書写された国の重要文化財「金葉和歌集」や、江戸時代の国文学者本居宣長直筆の「古今集遠鏡」などを公開する。

 「美しさや恋しさを感じる気持ちは万葉集の頃も今と変わらない。現代人の心にも響く和歌の魅力を知ってほしい」と担当する渡邉卓同大准教授(日本上代文学)。

 さらに、万葉集の頃は日本語を漢字で表記したが、平安時代に「仮名文字」が生まれ、見た目も美しい歌集が多く編さんされるようになったとし、「文字の変遷にも注目してほしい」と見どころを語った。企画展は6月23日まで。入場無料。


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