英国発の音楽祭典が日本に 葉加瀬太郎が意気込み

インタビューに答える葉加瀬太郎

 日本初上陸となる英国のクラシック音楽の祭典「BBC Proms(プロムス) JAPAN 2019」が10〜11月に開かれる。PRアンバサダーのバイオリニスト葉加瀬太郎は「英国では、NHK紅白歌合戦のように楽しみにしている人が多い。日本に根付くように、1回目を成功させたい」と意気込む。

 1895年に始まったプロムスはプロムナード・コンサートの略で、無料ライブも含め、街中で行われる大小さまざまな公演を気軽に楽しむロンドンの夏の風物詩。葉加瀬はロンドンに住み始めた2007年、ロイヤル・アルバート・ホールで開かれた最終夜の公演「ラストナイト」を会場で聴いた。「皆が肩を組んで歌い、ホールが揺れていた。見たこともない光景だった」

 日本公演にはピアノのユリアンナ・アブデーエワやバイオリンのワディム・レーピンら世界的名手が登壇。東京・渋谷では無料コンサートもある。「メンツもプログラムも鉄板だが、コンサートは聴衆がつくるもの。英国のコピーではなく、日本のプロムスをつくっていくことが、定着につながると思う」

 そんな思いで自身も代表曲「情熱大陸」を披露する。「フルオーケストラで演奏することはなかなかなく、僕にとって挑戦でもある」

 1月に51歳になり「もういっぺんリスタートする気持ち」という葉加瀬が、日本のクラシック界に、新たな風を吹かせようとしている。


  • LINEで送る