2色で模様描いた縄文漆器、福島 川俣町で出土

福島県川俣町の前田遺跡から出土した、赤と黒の漆で塗り分けられた木製品=26日午後、福島市

 福島県教育委員会は26日、同県川俣町の前田遺跡から出土した縄文時代中期(約4500年前)の漆器を報道陣に公開した。赤と黒の漆で模様を塗り分けており「全国的にも珍しく、縄文人の美的感覚を知る重要な史料となる」としている。

 発掘調査は昨年7〜12月に実施。赤の漆で塗られた土器の側面や縁の部分には、黒の漆で模様が描かれていた。水玉やしま模様が描かれた土器の破片や、破損しているとみられるL字形に近い木製品もあった。

 木のくぼみに棒を入れて回転させて火をおこす道具も出土。縄文時代のものでは北海道小樽市、石川県能登町に続く国内3例目で、国内最古とみられるという。


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