心筋作製、鎮痛薬で効率3倍に 筑波大の梗塞治療研究

マウスの線維芽細胞から変化させた心筋細胞(赤い部分)。左上の囲まれた部分は、右下の四角の部分を拡大したもの(筑波大の家田真樹教授提供)

 心筋梗塞になった心臓で増えてしまう線維芽細胞に遺伝子を注入し、拍動する心筋細胞を再生する治療法の研究を進める家田真樹筑波大教授らは20日、遺伝子に加え、鎮痛薬として知られるボルタレンを与えると、作製効率が3倍に向上することが分かったと、科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表した。

 今回はマウスの細胞による実験。家田さんは「次は生きたマウスで研究を進め、安全性を検証したい」と話した。

 実験では大人のマウスの線維芽細胞に、心筋細胞で特に働いている4種類の遺伝子を注入。この際にボルタレンを加えることで心筋に変化する細胞の割合が0・7%から2〜3%になった。


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