十二指腸がんに「細胞シート」 長崎大、臨床試験20年にも開始

記者会見する長崎大大学院の金高賢悟教授(左)=22日午後、長崎市

 長崎大は22日、患者自身の細胞を培養してつくる「細胞シート」を十二指腸がんの手術に使って再生を促す臨床試験を、早ければ2020年から始めると発表した。シートの作成技術を持つ医療機器大手テルモの出資を得て、共同研究を進めるための講座を元日付で大学院医歯薬学総合研究科に設けた。

 大学によると、試験対象となるのは、十二指腸の内側粘膜に初期のがんがある患者。近年は開腹せずに内視鏡で患部を削り取る手術が、体への負担が少ないとして注目されている。だが、消化液の影響で患部に穴が開く合併症が、3割程度の確率で起こるという。


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