旧役場解体差し止めの訴え退ける 岩手・大槌町の住民訴訟

岩手県大槌町の旧役場庁舎=17日午後

 東日本大震災の津波で当時の町長と職員計28人が犠牲となった岩手県大槌町の旧役場庁舎の解体を巡り、保存を望む住民団体「おおづちの未来と命を考える会」の代表らが平野公三町長に対し、解体工事と公金支出の差し止めを求めた住民訴訟の判決で、盛岡地裁は17日、訴えを退けた。

 町長選の時から一貫して庁舎解体を訴えてきた平野町長は判決後、報道陣に対し「解体は司法的に認められた。予定通り18日から作業に入りたい」と述べた。原告側は控訴するか検討する。

 原告側代理人によると、東日本大震災で損壊した建物を震災遺構として残すかどうかに関する初めての司法判断とみられる。


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