富士山、2500年前未知の噴火 本栖湖底の地層から火山灰

山梨・甲府、本栖湖、富士山

 富士山で約2500年前、これまで知られていなかった噴火が相次いで2回起きた可能性が高いとの研究結果を秋田大や東京大のチームが10日、発表した。富士山北西にある本栖湖(山梨県)で採取した地層から、未知の2回の噴火で積もった火山灰を確認した。

 国や関係自治体は噴火に備えたハザードマップの改定を進めており、過去の噴火の情報が反映される可能性もある。

 秋田大のスティーブン・オブラクタ准教授(古環境復元学)は「富士山の噴火は考えていたよりも多く、影響が及んだ範囲はもっと広かったかもしれない」と話す。

 最大水深約120メートルと、富士山北側の「富士五湖」のうちでは最も深い本栖湖で、湖底から過去約8千年分に相当する長さ4メートルの地層を採取。地層のどの部分がいつ積もったかを分析した。

 その結果、約2500年前に約20年間隔で積もったとみられる火山灰の地層が2枚確認された。特徴からみて富士山のものと考えられ、この時期に2回の噴火があったのではないかという。

 気象庁によると、3500〜2300年前ごろの富士山は山頂で爆発的な噴火が起きていた。オブラクタ准教授によると、富士山ではこの時期に少なくとも14回の噴火が知られているという。


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