破綻から学ぶ「夕張学会」 実情知り新たな豊かさ模索

「夕張学会」のメンバーら。前列左から2人目が里見喜久夫さん=2月、北海道夕張市の旧緑陽中学校(里見さん提供)

 財政破綻した北海道夕張市を研究し、新たな豊かさやコミュニティーをつくり出そう―。東京のデザイン会社社長で、働く障害者をテーマにした季刊誌「コトノネ」の編集長も務める里見喜久夫さん(69)らが「夕張学会」を立ち上げた。8月に「夕張破綻学」の第1回研究会を夕張市で開く。

 里見さんは同誌で夕張を特集した縁で、夕張市役所の佐藤学さん(46)や、廃校を利用して高齢者や障害者スポーツの支援事業を進めているNPO法人「あ・りーさだ」代表理事の正木英之さん(59)らと知り合い、意気投合。「夕張学会」の立ち上げを提案し、里見さんが会長に、正木さんが副会長、佐藤さんが最高顧問に就任した。

 里見さんは「破綻した夕張市と同じような課題に今後、日本各地で向き合うことになるかもしれない。現状を知ることから始め、真面目に、おもしろく、研究していきたい」と話している。

 「夕張破綻学」は8月5〜6日、夕張市の旧緑陽中学校の教室で開催。佐藤さんや正木さんが、破綻の原因や破綻後の実情を赤裸々に説明。地元の高校生や夕張出身の若者が語り合う企画のほか、住民参加シンポジウムも行う。

 定員40人。問い合わせは「コトノネ」編集部、電話03(5794)0505。


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