膵臓がん発症の新メカニズム解明 京大、iPS技術応用

脱分化を起こしてもがんができなかった遺伝子に異常のないマウスの膵臓(左)と、がんができた、遺伝子に異常があるマウスの膵臓(京都大iPS細胞研究所提供)

 従来知られていたのとは異なる膵臓がん発症のメカニズムを、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製技術を応用して明らかにしたと、京都大iPS細胞研究所などのチームが25日付の英科学誌電子版に発表した。

 がんの主な原因として遺伝子異常が注目されてきたが、新たな仕組みが分かったことで、予防に役立てたいとしている。

 チームによると、iPS細胞は、血液や皮膚などの細胞に人工的に数種類の遺伝子を入れて作る。この際、iPS細胞に変化していく細胞では、もともと働いていた遺伝子の働きが弱くなる「脱分化」という現象が起きることが知られている。


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