東京高裁、全員の原爆症認定支持 国の控訴棄却

原爆症認定訴訟の控訴審判決後、東京高裁前で「全員勝訴」などと書かれた紙を掲げる弁護士ら=27日午後

 広島や長崎で被爆した6人を原爆症と認めなかった国の処分は違法だとして、茨城県などの被爆者や遺族が処分取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は27日、全員を原爆症と認めた一審東京地裁判決を支持し、国の控訴を棄却した。

 判決理由で後藤博裁判長は「がんなど6人の病気は、一般的に放射線被ばくとの関連性が認められる」と指摘し、被爆や発症の状況を個別に検討。「いずれも放射線によって発症が促進されたと高い確度で言える。国の却下処分は違法だ」と述べた。

 判決によると、原告は76〜87歳の男女5人と、2015年に亡くなった男性の遺族。


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