同性カップル演じた渡辺剣ら語る 「純粋な気持ち描く作品」 

「機会があれば他のボーイズラブコミックも読んでみたい」と話す渡辺剣(左)と天野浩成=東京都内

 他人にうまく心を開けない美大生と、恋なんかとうに忘れた広告マン。年の差のある男子2人の不器用な恋を描いた映画「花は咲くか」で、同性カップルを演じた渡辺剣と天野浩成が「年齢も性別も関係なく、純粋に人を好きになる気持ちが描かれている」と作品を語った。

 原作は女性の目線から男性同士の恋愛を描く「ボーイズラブコミック」。「出演を聞いたときは『俺、ボーイじゃなくておじさんだけど大丈夫?』と驚いた」と天野。

 演じた桜井和明はもともと異性愛者だが、いつの間にか男性を好きになるという役どころだ。「同性を好きになる感覚や、気持ちの変化をつかむのが難しかった。監督と何度も相談しました」

 一方、桜井と出会って初恋を知る水川蓉一を演じた渡辺は「最初から桜井さんしか見えていない役。感情移入もスムーズだった」と話す。撮影前から意識して口数を減らし、寡黙な蓉一になりきった。キスシーンは全くの初めてで「天野さんに身を任せた。頼もしかった」とはにかんだ。

 谷本佳織監督による細やかな演出も見どころ。手を握ったり、髪に触れたりするしぐさの一つ一つに、女性がキュンとするポイントが詰まっているという。2人は「カットがかかったとき、周りの女性スタッフが恥ずかしそうにしていると『今の良かったんだな』と分かって、うれしかった」と口をそろえた。

 映画は東京、名古屋、大阪で、24日から公開。


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