チョコデリ実写映画を単館上映 主演松本さゆき、2歳娘と観賞 

映画公開で再会した松本さゆき(左)と杉作J太郎監督=松山市のシネマルナティック

 吾妻ひでおのギャグ漫画「チョコレート・デリンジャー」を実写化した同名映画が、撮影開始から10年がかりで単館上映にこぎ着けた。

 漫画家でタレント、また独自の映画論やサブカル論も展開する杉作J太郎監督が、破天荒な私立探偵チョコちゃんを巡る筋書きのないドラマに挑んだ。監督の出身地、松山市のシネマルナティックで5月5日まで公開。

 「吾妻さんの原作は肩の凝らない前衛芸術。難しい観念的な話をかわいらしい絵でやさしく見せている。映画でも生と死という大テーマをぼんやり問いかけてみた」と杉作監督。実写版は一応完成したが、さらにアフレコとアニメを加えて再編集し、9月に改めて同館で公開するという実験的試みだ。

 チョコちゃんをみずみずしく演じた主演女優松本さゆきは母親と2歳の娘を伴い同館で初観賞、舞台あいさつにも臨んだ。自身の出演シーンは2007~08年に撮影。「10年前の無知な自分をスクリーンで見るのは恥ずかしかった。全力でもう一回やり直したいくらい。でも母も娘も笑って見てたから成功かな?」

 いしかわじゅん、手塚真、「孤独のグルメ」の久住昌之、しまおまほ、和田ラヂヲ、いとうせいこう、ユースケ・サンタマリアら多士済々の漫画家やアーティストが、俳優あるいは本人として出演。時代劇漫画家とみ新蔵や歌手大西ユカリ、新潟のアイドル3人組「Negicco」、「戦場のメリークリスマス」に出演した俳優飯島洋一も見せ場をつくる。主題歌は遠藤賢司、意表を突く挿入歌を歌うのは赤犬。


  • LINEで送る