クニマス産卵の撮影成功、山梨 生態解明へ一歩前進 

西湖の湖底で確認されたクニマスの卵(小円内)と、ふ化したばかりの稚魚(大円内)=2月(山梨県水産技術センター提供)

 秋田県・田沢湖の固有種で、富士五湖の西湖(山梨県富士河口湖町)で約70年ぶりに発見されたクニマスの産卵行動の写真撮影に、山梨県が初めて成功した。クニマスの保全を目指す県は「分からない部分が多い生態を解明する手掛かりになる」として、養殖技術の確立に生かしたい考えだ。

 田沢湖の水質悪化で1940年ごろに絶滅したと考えられていたクニマスは2010年、西湖で生息が確認された。35年に田沢湖から移された卵からふ化した個体の繁殖が続いたとみられる。ただ、当時のクニマスに関する資料が乏しく、好む水温や明るさなど不明な点が多い。


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