日本画家の松尾敏男さんが死去 優美な花鳥画 

死去した松尾敏男さん

 的確な描線と優美な色彩の花鳥画を描いた日本画家で文化勲章受章者の松尾敏男(まつお・としお)さんが4日午後8時20分、肺炎のため病院で死去した。90歳。長崎市出身。葬儀・告別式は近親者のみで営んだ。後日、お別れの会を開く予定。

 花鳥画の大家堅山南風に師事。構成的な作品や幻想的な表現を経て、心象と素直な写生が融和した格調高い作風を確立。典雅な花鳥画を中心に、風景や人物も描いた。中国やインドに取材した作品でも知られる。

 2013年に開場した歌舞伎座(東京都中央区)の緞帳に、大きな富士山を中心に据えた絵を描いた。


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