平安期儀式書に猿顔の印 宮内庁所蔵、謎深まる 

宮内庁所蔵の平安時代の儀式書に押されていた猿の顔のような印(宮内庁提供)

 宮内庁書陵部は11日、所蔵する平安時代の儀式書「北山抄」に猿の顔のような不思議な印が押されていることが判明したと発表した。押印の経緯や背景は不明で、担当者は「謎を解明したい」と話している。

 北山抄は平安中期の公卿で和歌、漢詩などに秀でた知識人として知られる藤原公任が編さんし、宮廷で重要視された儀式の手引書。

 書陵部は1956~57年、摂政や関白に任じられる「五摂家」の一つだった九条家から写本巻などを取得。整理、分類を進める中で、このうち平安期の写本2巻と紙片1枚の裏面に縦2センチ、横2・5センチの猿の顔のような墨印や朱印が計56カ所押されていることが分かった。


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