珍宝帳「除物」のよろいか 東大寺出土の小札 

東大寺大仏殿から出土したよろいの断片=奈良市

 東大寺大仏殿(奈良市)で明治時代に出土したよろいの断片が、奈良時代に光明皇后が同寺に奉献した宝物の目録「国家珍宝帳」に記載された武具「挂甲」だった可能性の高いことが28日、分かった。元興寺文化財研究所が発表した。

 挂甲は小さな鉄板「小札」をとじ合わせた防具で、珍宝帳には挂甲が90掲載されている。しかし、リストから外れたことを示す「除物」の付箋が貼られたものが一つ存在している。

 このため、よろいの断片が除物であれば、光明皇后が奉献後に正倉院で保管していたものを取り出し、大仏の下に納めた可能性があるという。


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