南極観測船「しらせ」接岸困難に 氷厚く、ヘリ空輸頼み 

厚い氷に進路を阻まれる南極観測船「しらせ」=8日、昭和基地沖(南極観測隊同行記者撮影)

 【昭和基地沖=南極観測隊同行記者】第54次南極観測隊(渡辺研太郎隊長)の必要物資を運ぶため、昭和基地近くへの接岸を目指している観測船「しらせ」が厚さ6メートル近い氷に阻まれ、前進が困難な状況に陥っている。8日午前(日本時間同日午後)現在、基地の沖合約21キロで砕氷航行を続けているが、接岸の見通しは立っていない。

 基地周辺では氷の表面が解けて雪上車の走行ができない状態が続いており、当面の物資輸送はしらせ搭載のヘリコプター1機が頼り。このまま接岸できなければ、観測計画などに大きく影響する。ヘリが故障すれば、隊員の長期滞在に必要な物資輸送も困難になる。


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