血圧上昇物質が大動脈解離引き金 慶大が研究結果 

 大動脈の壁に裂け目ができ、、血管の壁の中に血液が流れ込む「急性大動脈解離」には、白血球の成分からつくられる酵素が関わり、血圧を上げる体内物質が発症の引き金になっているとの研究結果を、慶応大医学部の岡田保典教授(病理学)、清水良子助教(内科学)らが21日までに米医学誌に発表した。

 この体内物質の働きを抑える降圧薬が広く使われており、岡田教授は「研究が進めば、酵素の値を診断に用いたり、降圧薬をリスクの高い人の発症予防に使ったりできるかもしれない」としている。

 急性大動脈解離は、血管が破裂するなどして死亡することも少なくない病気だが、発症のメカニズムはよく分かっていない。


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