東電が損害賠償請求棄却求める 「船回収できず」の訴えに 

 東京電力福島第1原発事故で、所有する運搬船の回収ができなくなったとして、福島県いわき市の海洋土木会社が東電に船の新造費用など約1億円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が30日、福島地裁いわき支部であり、東電側は請求の棄却を求めた。

 原告側は、船が放射能で汚染され、立ち入り制限で回収することもできず、社会的利用価値を失ったとして、原子力損害賠償法に基づき東電に賠償義務があると主張。

 東電側は、大量の放射性物質の放出は認めたが「船の価値が失われた根拠や、船の被ばく線量が不明確だ」とした。

 訴状によると、運搬船は昨年3月11日、いわき市の小名浜港に係留していたが、津波で福島第2原発の防波堤内に漂流。事故による立ち入り規制で回収ができず、同4月末に座礁し使用不能になった。

 原告弁護団の広田次男弁護士は「事故前の暮らしを取り戻すための責任を明らかにしていく」と述べた。


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