0―40も「悔いなし」 主将“助っ人”集め奔走 上総2年ぶり単独出場 【令和元年夏 白球に願い込め】 第101回全国高校野球 千葉大会 第3日

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大敗に号泣する上総の橋本主将(左から2人目)を助っ人部員らが励ました=12日、袖ケ浦市の袖ケ浦市営野球場
大敗に号泣する上総の橋本主将(左から2人目)を助っ人部員らが励ました=12日、袖ケ浦市の袖ケ浦市営野球場

 2年ぶりに単独出場した上総高校が最後の攻撃を前に円陣を組む。声を掛けたのはマネジャーの小牧彩花だ。「上総らしく明るく楽しく元気よく」。第101回全国高校野球選手権千葉大会第3日の12日、上総は我孫子東に0-40で大敗したが、ナインはあきらめることなく白球に食らい付いた。部員集めに奔走した橋本翔丈主将は感涙にむせんだ。「このメンバーで単独出場できて悔いはない」

 鈴木克利監督は「勝ちたいなら連合という手段もあった。でも彼らが単独で出ると決めたから」。正規の部員はマネジャー含め3年生3人と1年生1人。大会を間近に控えた6月、橋本主将が「最後だから一緒にやらないか」と友人を誘い10人が加入した。

 卓球部の松野一朗はカットマンとして県大会に出場した。この試合で安打を放った鈴木海都はバドミントン部。3年間、橋本、小牧と3人で部を支えてきた白石智裕は「単独で大会に出られて良かった。橋本がいたからここまでできた」と主将の人望に感謝。先発の橋本が一回で力尽きると、最後までマウンドを守った。

 助っ人が加入するまでは部活後の片付けに30分かかっていた。小牧は見よう見まねでキャッチボールの相手やノッカーまで務めた。その小牧も実はバドミントン部。しかも、週3回はアルバイト、生徒会副会長でもある。多忙だが「達成感がある」日々。練習で全力疾走を怠った部員に気合を入れ、スコアの記入、ユニホームの縫い付け作業は一手に引き受けた。

 「雨の日でも練習する野球部を見ていたので力になりたかった」と話すのはバスケ部の角田逸人。ひたむきな姿が仲間との絆を生み、部の壁を越えた“ひと夏のチーム”へと育った。

 創立109年の歴史を誇る同校は2021年4月に君津高校との統合が決まっている。3年生が引退し残る部員は1年生の小沢翔大だけ。単独出場は今夏が最後かもしれない。上総高校野球部の短く、忘れられない夏が終わった。