丸刈りやめちゃいました 部活を楽しい空間に 成田国際 【令和の高校野球from千葉】(中)

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髪型自由となった成田国際ナイン。右端は古谷監督=成田市
髪型自由となった成田国際ナイン。右端は古谷監督=成田市
スマートフォンのアプリで管理する「野球日誌」
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 練習着は色も柄も統一されていない。短パンや、千葉ロッテのTシャツ姿もある。成田国際では髪型も自由。約40人いる部員の半数は丸刈りではない。

 副主将の山元大生は「ボウズ強制だったら高校で野球はやっていない」と即答。他校の友人からも、「成国はいいなあ」とうらやましがられた。青春を満喫したい年頃だ。ある部員は「ボウズだと彼女ができないので」と発言し、笑いが起きた。

 球児=丸刈りの時代は変わりつつある。新潟明訓(新潟)など、県外でも丸刈り以外の髪型を推奨する高校が増え始めた。成田国際は夏大会を全員「五厘刈り」で迎えていた時期もあったが、ここ数年で撤廃。全校生徒の65%が女子で、県内屈指の入試倍率を誇る。野球経験者が入学する割合も少ないが、部員数は全学年で2桁となった。主将の的場爽は「間違いなく髪型自由の効果はある」と、取り組みが部員の確保につながっていると話す。

 仕掛け人は高校野球の「国際化」を目指す古谷健監督。厳しい長時間練習を指示した時代もあった。だが、常識やしがらみが付きまとう高校野球に疑問を持ち、4年前にドミニカ共和国の野球を視察。メジャーリーガーから6歳児まで一緒の球場でプレーし、「自由で楽しい空間」に部活の原点を見いだした。

 礼儀など日本の良さは残しつつ、固定概念にとらわれない高校野球が目標。木製バットの使用、守備ではジャンピングスローも推奨する。「もちろん甲子園は目指していますが、良い表情で野球をやらせたい。この子たちがいなかったら監督はできないし、部活も伝統も途切れてしまうじゃないですか」と目を細める。

 ノートで提出していた野球日誌も、仕事の合間に管理しやすいスマートフォンのアプリで実施するようになった。練習メニューも選手自らが「ユーチューブ」の動画などを参考に考案。最速130キロ台後半まで成長したエースの豊田悠は「練習ってだるいとか嫌だなとか思うことがあるけど、僕らが考えているのでそれがない」と笑う。

 今後の高校野球発展につなぐため、「大人がいかに柔軟になれるか」と監督。続けて語った。「すべてのチームがこうなればとは思っていない。子どもの選択肢の一つとして、うちみたいなチームがあってもいいんじゃないかと思う」