「打倒私学」ナイン結束 佐倉 第101回全国高校野球 千葉大会 【新進気鋭】

練習が2時間の日にトレーニングに励む佐倉ナイン。手前は和田主将=佐倉市
練習が2時間の日にトレーニングに励む佐倉ナイン。手前は和田主将=佐倉市
身長180センチの左腕で登板経験も豊富な斎藤
身長180センチの左腕で登板経験も豊富な斎藤
3年生が決めた今年のスローガンは「昂然(こうぜん)」
3年生が決めた今年のスローガンは「昂然(こうぜん)」

 10日に開幕する第101回全国高校野球選手権千葉大会。初の甲子園出場を目指し、成長著しい3校がシードを獲得した。創部127年の歴史を持つ佐倉。秋春8強と最高成績を残した千葉学芸。機動力で23年ぶりのシードとなる東京学館。注目の3校を紹介する。

 創部から127年、初の甲子園へ。伝統校の佐倉は、いずれも甲子園出場歴がある私学校を破り秋春連続16強。堂々Cシードで登場するが、慢心は一切ない。和田宗矩主将は「県立のうちが挑戦者であることは変わらない」と語気を強める。

 昨年出場した選手も多く残る。しかし秋春はけが人を抱えた中で勝ち進んだ。エースで長身左腕の斎藤正貴は腰椎(ようつい)分離症を抱え、継投で支え合った。春は捕手の東海林隼人をコンバート。予選で完封と奮闘するも県大会開幕前に腕を骨折した。それでも、一人が複数のポジションを練習してきたことも奏功し団結。斎藤は「公式戦のたびにピンチだったけどみんなで乗り越え結果が出て自信になった」。腰も完治して最速135キロの直球を取り戻し、夏へ向かう。

 7限まで授業を受けるため、放課後の練習時間は約2時間と限られる日も。日没の早い冬場はボールが使えない日もあった。打撃や体幹強化のみなど一日のメニューを限定し、重視するのは土日。仙台育英や京都外大西とも練習試合を重ね、「強豪と当たっても名前負けしなくなった」と斎藤。実戦で得た課題を平日の短時間で克服。一歩ずつ前進してきた。

 一方で全員が難関大学進学希望者のため、遠征でも参考書や単語帳は手放さない。移動時間や午後7時の完全下校後も勉強し「真の文武両道」に励む。和田は「これが本来の高校野球だと思う。練習時間は関係ない」。

 率いる堀内幹仁監督は千葉商や検見川、若松と渡り歩き上位に導いてきた。「知恵と工夫で勝負できるのが高校野球。打倒私学は私の意地ですよ」。今春に定年を迎え、現在は再任用教員として指揮を執る。

 熱意は選手に伝染。3年生は打倒私学を掲げて集まり、中学の硬式経験者も半数を占める。伝統や歴史も強みだ。OBの長嶋茂雄氏への思いを込め、守備練習前には必ず三塁に集まり輪をつくる。和田は「うちは長年多くの方々が応援してくださり、オール佐倉で戦える絆が強み。監督や地域の方、学校の仲間へ感謝を示す野球をしたい」。新たな歴史の扉を開く覚悟だ。


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