中央学院・大谷復活弾 試練越え再び聖地へ 第100回全国高校野球 西千葉大会 最終日

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中央学院―東京学館浦安 4回表中央学院1死、大谷が右翼席へ勝ち越し本塁打を放つ。捕手遠藤=ZOZOマリン
中央学院―東京学館浦安 4回表中央学院1死、大谷が右翼席へ勝ち越し本塁打を放つ。捕手遠藤=ZOZOマリン

 その快音は、大黒柱の復活と中央学院の悲願を呼び寄せた。

 同点の四回。マリンに「4番・大谷拓海」がコールされる。「1点欲しい場面。ここは」。初球、96キロのカーブ。目を見開き豪快に引っ張ると、打った瞬間に入ると分かった。右翼席への勝ち越し弾丸ライナー。背番号1は片手を突き上げ、悠々とベースを回った。「ここまで連れてきてもらったみんなに、恩返しがしたかった」

 5月下旬。市川越との練習試合に登板中、ライナーが頭に直撃。救急車で運ばれ、診断は脳挫傷に頭蓋骨骨折。外傷性くも膜下出血と「野球人生が終わるかもしれない」ほどの大けがだった。

 だが、闘志は燃え尽きなかった。親同伴で面談を繰り返しても「大会に出たい」と割って入った。甲子園初出場初勝利が懸かった今春、2死から逆転3ランを浴び号泣した苦い思い出が頭から離れない。「あの場所に絶対戻る。こんな所で終われない」。8キロ減った体重を取り戻し、大会直前に復帰した。

 初戦はベンチで見守り、決勝まで単打2本。本来の姿からは遠く、投球も振るわなかった。

 そんな姿を間近で見た仲間たちが、燃えないわけがない。穴を埋めようと必死に振り込んできた打線が団結し、チームは6戦で62安打。相馬幸樹監督は「彼の本塁打が出ると甲子園に行けるのかなと思っていた。全部が伏線となり、ストーリーとなった」と目を潤ませる。仲間ともみくちゃになる大谷の笑顔は、最高に輝いていた。