
千葉県内での新型コロナウイルス感染急拡大を受け、熊谷俊人知事は13日の定例記者会見で「新規感染者のおよそ9割は『オミクロン株』と考えられる」と、置き換わりが急速に進んでいると説明。これに伴い感染拡大も「かつてないスピード」と警戒を呼び掛けた。一方で、医療提供体制は維持されているとし「現時点でまん延防止等重点措置は必要ない」との認識を示した。感染防止に向けて県民・事業者へ協力を求めるとともに、3回目接種を推進するため「県営の集団接種会場設置を検討している」と明らかにした。
県疾病対策課によると、これまでの検査結果や変異株の感染傾向などを踏まえ、現状の感染者は「デルタ株」と「オミクロン株」でほぼ占められると説明。デルタ株への感染を調べるPCR検査で陰性の場合は“見なし判定”で「オミクロン株感染疑い」としている。
3~9日の一週間に行った検査では、判定不能を除く630件のうち、約88%の556件について「デルタ株=陰性」で、オミクロン株疑いと判断。感染も急拡大し、13日には4カ月ぶりに600人台に突入した。直近一週間平均は、前週の約9倍となっている。
感染拡大の一方で、県内の病床稼働率は12日時点で13・8%と低く、医療提供体制は維持されている。重症者用の病床稼働率はゼロで「現状ではまん延防止等重点措置は必要ない。ただ、医療現場の状況等を注視し早め早めに判断していく」と、引き続き警戒する姿勢を示した。
今後の病床逼迫(ひっぱく)に備え、開設準備を進めている新たな臨時医療施設については「最速で今月末の稼働を目指して準備している」と説明した。
また、県内の高齢者向け3回目接種は今月中に開始予定で、主体となる市町村を補完するため「県営の集団接種会場設置を検討している」と述べた。県では「(接種対象の)職種を絞ったり、市町村の枠を超えてアクセスが便利な場所に設けたりする意義がある」とし、別枠でのワクチン供給を国に求める考えも示した。