都など積極推進を主張 羽田空港の国際化 県は「騒音影響」で反論 【ナリタ30年 地域と空港】

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 羽田空港の再拡張に伴う国際化について活発な議論が展開されている。羽田空港は利便性が高いとして、東京都や神奈川県などは国際化に積極的。だが、これまで堅持されてきた「成田は国際線、羽田は国内線の基幹空港」とする内際分離原則を揺るがすものであり、本県上空を通過する航空機による騒音被害拡大も懸念されるとして、千葉県は羽田再拡張後の国際線枠を年三万回までとする立場を固持、議論は平行線をたどっている。

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 国土交通省の試算によると羽田、成田両空港の飛行機の便数を上限まで増やしても、二〇一七年には需要が供給を年三・六万回ほど上回る見込み。同省東京国際空港再拡張事業推進室は「両空港が連携して首都圏の航空需要を支えていくべき」として、羽田空港再拡張に伴い国際線を現在より年三万回増やす必要性があると訴える。

 四月二十四日に開かれた、羽田空港の国際化に関する国と都・関係県実務者分科会(実務者分科会)の第二回会合。同省は羽田空港再拡長後、国際線を年三万回にする方針を確認したが、国際線発着枠を可能な限り拡大したい東京都の猪瀬直樹副知事は「国土交通省は旧来的な考え方」と辛口だ。

 都交通企画課は、都心から近い羽田空港が国際化することで、首都圏の国際的なビジネス拠点としての地位が向上すると期待。首都圏の活力が増し、国の国際競争力も強化されると分析する。

 一方、本県側は第一回会合で国際化などの羽田空港の議論については、騒音影響への配慮が不可欠とした。同空港を離着陸する航空機は、ほとんどが木更津市や浦安市方面を騒音とともに通過している。これに関して猪瀬副知事は「増やした分は東京湾上空を飛ばせばいい」と反論する。

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 羽田国際化の議論は、空港南側で隣接する神奈川県にとっても「千載一遇のチャンス」(同県京浜臨海部・空港対策班)。同県は、京浜臨海工業地帯と世界を結ぶ物流にかかる時間短縮による経済効果を狙う。

 成田空港問題を抱えてきた千葉県の立場について「苦労は神奈川県としても重く受け止めているが、このままでは世界を相手に勝負できない」(同班)。両空港間のアクセス向上により、羽田国際化は双方の利益になると主張する。