2017年1月29日 05:00 | 有料記事
九十九里浜の浸食(後退)問題で千葉県は、現状のままだと砂浜面積が毎年1ヘクタールずつ減少し、30年後には複数地点で海岸が最大40メートル後退するとの試算を公表した。浜の維持・回復に向け、県は海岸に砂を大量投入する「養浜」(ようひん)の拡大を沿岸市町村に提案。漁業への影響や効果を検証する大規模な現地試験に乗り出す考え。
千葉県は1980年代後半から、一部区域で砂の流出を防ぐ人工構造物の整備や養浜を実施。一定の効果はあったが、食い止めには至らず、対策を実施していない区域では浸食が加速している。
新たな対策が必要と判断した県は、旭市から一宮町まで沿岸約60キロの9市町村長に専門家を交えた対策検討会議を発足。23日の初会合では、大網白里市と九十九里町にまたがる白里海岸で2015年までの50年間に砂浜が約90メートル後退したことや、長生村の砂浜がここ数年間で急速に削られて背後の村道が崩れた例など深刻な現状が報告された。
県は、九十九里浜全域で「40メートルの砂浜幅を確保」するという回復・維持目標を設定し、養浜の大幅増が不可欠と提案。対策を取らなければ、毎年1ヘクタールずつ砂浜面積が減少するというショッキングな試算も公表された。
これまで実施された養浜は年2万立方メートル程度。周辺の河 ・・・
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