酒依存「心の隙」に 八街事故で飲酒運転根絶機運 市原刑務所・山下公一教育専門官 誰もが当事者と警鐘

市原刑務所敷地内のグラウンド脇には、被害者を慰霊し反省と立ち直りを誓う「つぐないの碑」があり、多くの受刑者が立ち寄り、祈りをささげている
市原刑務所敷地内のグラウンド脇には、被害者を慰霊し反省と立ち直りを誓う「つぐないの碑」があり、多くの受刑者が立ち寄り、祈りをささげている
「心の隙間に酒があると、いつアルコール依存になってもおかしくない」と警鐘を鳴らす市原刑務所の山下教育専門官=市原市
「心の隙間に酒があると、いつアルコール依存になってもおかしくない」と警鐘を鳴らす市原刑務所の山下教育専門官=市原市

 八街市で児童5人が大型トラックにはねられ死傷した事故を受け、改めて根絶機運が高まる飲酒運転。自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪に問われたトラック運転手の公判では常習性が浮き彫りになり、いかに“アルコール依存”を断ち切るかが飲酒運転撲滅にとって重要になる。受刑者を更正へ導く市原刑務所の山下公一教育専門官(53)は「心の隙間に酒があると、いつアルコール依存になってもおかしくない。ふとしたきっかけで誰でも飲酒運転は起こし得る」と警鐘を鳴らす。

 同刑務所は交通犯罪の受刑者を専門に収容し「交通刑務所」と呼ばれる。2020年度の収容者の約35%が飲酒が絡んだ事故で実刑を受け、このうち約半数が入所時の検査で「アルコール依存の疑いがある」と診断された。


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