乳がん患者の乳房、誤って切除 千葉大病院 両方にがんと思い込み

記者会見で謝罪する大塚副病院長(中央)ら=29日午後、千葉県庁
記者会見で謝罪する大塚副病院長(中央)ら=29日午後、千葉県庁

 千葉大医学部付属病院は29日、左乳房に乳がんが見つかった50代女性に対し、誤って左右両方の乳房を切除する医療ミスがあったと発表した。右乳房は切除する必要がなかった。乳腺・甲状腺外科の担当医が左乳房の病理報告書を右乳房のものと誤認したことなどが原因。女性とは示談が成立し、担当医は退職しているという。

 同大病院によると、担当医は2017年9月、週1回勤務していた県内の別病院で女性の左乳房の組織検査を行い、乳がんが見つかった。担当医は同大病院を紹介し、2病院にまたがり単独で女性を診療。画像検査で右乳房にも陰影があったため組織検査を実施したが、結果は「悪性所見なし」だった。

 だが、担当医は検査結果を女性に説明する際、悪性所見があった左乳房の病理報告書を右乳房のものと思い込み、「右乳房も乳がんだった」と告知。病理報告書には部位が書いてあったが、確認していなかった。

 担当医はさらに、左乳房の病理標本を右乳房のものとして同大病院の病理部に提出。この結果、女性は左右両方の乳房が乳がんとの前提で同年12月に手術を受け、がんではなかった右乳房も切除された。

 手術摘出検体の病理検査で誤認が判明。同大病院は事例検討委員会を立ち上げ原因を検証し、患者と家族に謝罪した。担当医は、学会が認定する乳腺専門医の資格を持つベテランだった。聞き取りに「確認不足だった」などと釈明したという。

 同大病院は、担当医の確認不足と単独での診療が主な原因と分析。病理報告書の部位などを患者と一緒に確認するほか、診療が2病院にまたがる場合は別の医師が初診を担当するなどの対策を講じたとしている。

 県庁で記者会見した大塚将之副病院長は「患者と家族に多大な負担と心痛をかけ、心よりおわび申し上げる。事実を重く受け止め、再発防止に取り組んでいる」とした。


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